GAKIYA ISAMU collaboration "PIP" SWEATER までの道のり

 

 

我喜屋位瑳務さんとの出会いは、ライテンダーを始める前に遡る。

 

共通の知人がいた。
私にとっては、師のような人だ。その人の紹介で、我喜屋さんに会った。

 

そのとき、初めて作品を見た。
正直に言うと、想像していたものとはまったく違っていた。いい意味で、完全に裏切られた。

予想の遥か外側から飛んでくるアイデア。


力が抜けているのに、どこまでも伸びていくような線。


その自由な筆致には、理屈では説明できない説得力があった。

一目で、虜になった。



 

 

その後、私はこのブランドを始めた。
自分なりの表現を乗せるキャンバスを、ようやく手に入れた。

 

もちろん、表現には制約がつきものだ。
商売をしていればなおさらだ。
誰もが一度は、それを感じると思う。

 

でも、制約を感じれば感じるほど、
我喜屋さんの軽やかで自由な表現に対する憧れは、むしろ強くなっていった。

 

いつか、一緒に仕事がしたい。

 

そう思うまでに、時間はかからなかった。
ただ、その頃のブランドの器は、あまりにも小さかった。

声をかけることができなかった。

 

 

ライテンダーを始めて六年目。
表現できる幅も、届けられる距離も、少しずつ増えてきた。

 

そのタイミングで、思い切って声をかけた。
胸の中には、期待と恐れが同時にあった。

 

答えは、OKだった。

単純に嬉しかった。
胸が高鳴った。
憧れていた人と、仕事ができる。

 

我喜屋さんから預かった原画を、ニットの編み目に変換していく。
線を一つも取りこぼさないように、何度も工場と試し編みを繰り返した。

 

 

そうして、一枚のセーターが編み上がった。

完成したセーターを手にして、私は我喜屋さんに聞いた。


このモチーフは、一体なんなのか。

 

 

「昔作った作品なんだけど。
海外からの小包みが好きで、そのとき住所を隠すために描いたモチーフなんだよ。」

 

そして続けて言った。

 

「この手を広げた生き物は、映画『プロフェシー』に出てくるやつ。」

 

なるほど、と思った。
そんな背景があったのか。


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